大麻取締法の違憲性を問うため警察にワザと捕まった人の話(その2)

 前回に引き続き、大川興業所属の阿曽山大噴火を真似た裁判傍聴報告の続きです。大麻取締法違憲性を裁判で問うため、自腹でタイに渡航し、現地から大麻を日本に空輸し、捕まった、山崎一夫さんの初公判です。今回は山崎さんの冒頭陳述を報告します。

私が大麻所持で裁判を受けるのは平成10年(1998年) そして平成13年(2001年)に続いて今回が3度目です 平成13年の時と同様に 今回もわざと捕まっています 前回裁判の有罪判決に納得していないからです
大麻を所持使用する私のどこが悪いのか 何がいけなくて有罪とされるのか 納得できる回答をいただきたくて そのためにわざと捕まり裁判に臨んでいます


平成13年の裁判で左近寺映子裁判官は被告人の私を大麻と親和していると認定し そのことを非難していましたが 私には納得できかねます
私が大麻と親和しているのは間違いありません その通りです しかしそのどこが悪いのでしょうか? 私は大麻と親しみ和んでいます それはつまり大麻使用によって私の心身は何の害悪も受けていないということです私が初めて大麻を使いだしたのは昭和63年(1988年)です 以来これまでの間に大量の大麻を摂取していますが 私の身体は何の健康被害も被っておりません


また精神面においても 大麻によって好い影響を与えられこそすれ 悪い影響は与えられておりません


大麻と出会う以前の私は二度の自殺を図るなど 自分を否定的に捉える傾向がありましたが 大麻使用をはじめてより もっぱら自分を肯定的に捉えられるようになりました 私は私でいいのだ 人をうらやむ必要などないのだ 自分が納得できるように生きればよいのだ と思うようになりました


大麻を使うことで自分の深層の意識が見えてきました 自分は何を望んでいるのか 何をしたいのか そういうものがはっきりと見えるようになりました


私は自身のブログで自分の思うところ 考えるところをいろいろ書いておりますが それらは表層のものではないつもりです


大麻の使用を続けてきたことによって 自分自身の捉え方や世界の見方が大きく変化することになり その結果 今 ここにこの私がいるのです


この私のどこが悪いのでしょうか? どこに問題があるのでしょうか?


大麻が法律で禁止されているのは知っています 法律を否定するつもりはありません 法律は社会を平和で秩序ある状態に治めるために必要不可欠なものと考えています けれども法律がすべてだとは思っておりません 法律が必ずしも正しいとは思っておりません 法律が万能であるとは思っておりません


私には意思があります 意思があるゆえに私は考えることができます 意思は私の原点です 私は法律を尊重します しかし「法律を尊重する」ということをするのは 私の意思がそうするべきと思うからです もしも意思が介在せず ただ法律通りに動いているのであれば そこに私という人格は存在せず 単なるロボットにすぎなくなる


「法律を尊重する」はひとつの例です 私のすべての言動の源には私の意思が在るのです 『我思う ゆえに我在り』というものですね これは私だけでなく すべての人間に共通する法則としてあてはまるはずです
日本国憲法は我々が個として在ることを次の言葉で保証しています


すべて国民は個人として尊重される(憲法13条)


法治主義を否定するつもりはありません 大麻所持が法律で禁止されているのは知っていますから 私が大麻を持っていると知った警察が 法律に従い 私を逮捕拘束したのは彼らにとっては当然の行為でしょう そのことに不平を言うものではありません しかしながら 逮捕されたから有罪であるなどとは思っておりません なぜなら 私は法律違反はしても そのことで誰も傷つけてはいないし 誰にも迷惑をかけた覚えもないからです


私は大麻が大好きで 大麻の薬理効果が自身にとって無害であるだけでなく とても有益なものであると知って使っています(これはいわゆる自決の権利と呼ばれるものですね) もし法律があるからというそれだけの理由で有罪にするなら 憲法で保証された個人の尊重は雲散霧消してしまう


さて 私の人権と大麻取締法のどちらが優先されるべきかをあきらかにしていただきたくて わざと捕まってこの法廷に来ています


検察官殿にお願いいたします 私の人権を制して大麻取締法の適用を主張される理由を示して下さい


私は大麻取締法より自身の人権が優先するゆえ 無罪だと考えています しかし人は時々考え違いをします それは私も例外ではないでしょう
もし私に考え違いがあるようなら どこがそうなのかを御指摘くださいますようお願いします 私は論理が分からない子供ではありません 筋道を立てて分かりやすい言葉で話していただければ理解もいたします 自身の間違いを納得したならば 罪を認め おとなしく刑務所にもいくでしょう
検察官殿 よろしくお願いいたします。


裁判官殿にお願いいたします 事件の真実真相を見極めることで適正な法令適用をするのが裁判官の仕事であろうかと私は思っています


本件では事実関係の争いはありません 本件は論理の争いです


私は大麻が大好きで自身の目的のために これからも大麻を使うつもりです


この私と 私の大麻所持を非とする検察官の どちらの主張が優先されるべきなのか それぞれの主張の細部まで確かめてください 主張に疑問の点があれば 私 あるいは検察官に どんどん問いただしてください そして適正な法令適用に向けて 真実真相の解明に全力を尽くしていただきたいと願っています


なお 争うのは検察官と被告人の私であって 裁判官殿は争う当事者ではないことをくれぐれも忘れずに訴訟を指揮していただければ幸いです


平成22年4月20日


山崎一夫

http://ameblo.jp/yamasaki117/entry-10468201005.html#cbox/