「職を賭して」普天間問題を解決したいなら、あらゆる手段を死にもの狂いで講じよ

 住民の半分近くが抗議集会に参加するなど、徳之島の住民は、一糸乱れぬ行動で、普天間基地の移設を拒絶している。政府が徳之島への移転を本気で考えているのであれば、住民を分断するためのあらゆる行動を取るべきであると考える。


 「徳之島に本社機能を移転し、島住民を一定数雇用した会社に対し、連結ベースで、法人税の全部または一部を減免する」。このような政策を採用すれば、島の経済の将来を憂えるオピニオンリーダーの心を揺さぶれるかも知れない。


 「燃料や食糧といった生活必需物資について、内地との価格差相当分を政府が負担する」。このような政策を採用すれば、家計のやり繰りに苦労している主婦の心を掴めるかも知れない。


 「東京、横浜、大阪、神戸、名古屋、博多、北九州の中から選ぶとしている国際コンテナ戦略港湾の1つを徳之島に置く。そして、徳之島全体を経済特別区(SEZ)に指定する」。こんな政策を採用すれば、まち全体をシンガポールや釜山みたいに活気づけたいと考える若い青年たちが、希望を持つかもしれない。


 「経営再建中のJALの減便路線を徳之島−ソウル、北京、香港、上海をはじめとする東アジア主要都市間、徳之島−羽田、関西、福岡をはじめとする国内主要都市を結ぶシャトル便の運航に再編させ、徳之島に航空ハブ機能を持たせる。また、徳之島全体をカジノ特区にする。」こんな政策を採用すれば、観光業に携わる人が賛成に転じてくれるかもしれない。


 「島からどうしても出て行きたい人に対しては、移転や補償費用を政府が全面的に支援する」。こんな政策を採用すれば、「徳之島への基地移設絶対NO!」と頑なに拒み続けるのが難しくなるかも知れない。


 鳩山首相の「職を賭して(普天間基地問題を解決する)」という言葉が軽く聞こえるのは、あらゆる手段を講じて解決しようという政府の姿勢が一向に見えないからである。


 徳之島の住民に対して血が全然通った案でないから、国民から浅ましいと侮蔑されるのである。「移転先が他にないから徳之島」と言わんばかりのプレゼンテーションをされれば、誰もが怒る。


 オバマ大統領のトップ会談に賭ける等、解決手段が姑息で上走りで汗を全然かいていないように見えるのも問題だ。


 むしろ、役人の立場から絶対に出せないような大胆な政策提案を、他の都道府県の住民が羨む程のアメが沢山つまった提案を、政治主導で速やかに取りまとめ、徳之島住民だけでなく、全国民に対して、マスコミを通じて効果的にアナウンスする。徳之島以外の住民から「そんな優遇策ずるい」という声が出たら、頑なな徳之島の人たちも考え直してくれるかも知れない。青年会議所のリーダーとかが、政府首脳に対して、裏で意見交換や条件協議の場を求めてくるかもしれない。