白坂和彦他との大麻論争(14)

1357. 伊藤学 2010年03月23日 20:07
1338. オダ 2010年03月23日 10:33
>自治会は倶楽部であることを知らず、自治会が法律であるかのように頭に刷り込まれている。同じように大麻取締法にもいえるのじゃないでしょうか?法律がおかしくても何も検証しないままで、法律ありきだけで物事を解釈して決まりだからで済ませる。

大麻取締法がおかしいかどうかはここではさておき、今緊急的に検証する必要性を大多数の国民が認めていないから、検証が後回しにされているのではないでしょうか。雇用・経済対策・財政問題・安全保障問題等、国民の生命と財産に密接に影響する問題が目白押しじゃないですか。嗜好用大麻の解禁の議論を今緊急的に行わなければいけない理由は果たして何なのでしょうか(自家消費用の少量所持者に対する罰則が厳しすぎるのが重要な人権問題でこれを緊急的に解決するのが一番大事だというのであれば、全面的な合法化を主張するのでなく、はるかに国民・国会議員・行政に受け入れられやすい986+1202のような提案をすべき。大麻がどこでも簡単に栽培可能なのだから、流通・輸出入・自家消費用以外の少量を超える栽培を禁止・懲役刑を科したままでも、ささやかに大麻を楽しみたいという人の権利に何ら支障はない筈)。


1358. 伊藤学 2010年03月23日 20:07
(続き)
>アルコールやタバコより危険は一段と低いと言われても刷り込まれた恐怖が先に浮かぶ。

「アルコールやタバコより危険は一段と低い」は自明でない(ソースも示し散々説明した筈ですが、有効な反論がないどころか、理解が足りないと思われる一部を除き解禁派は押し黙ってしまったよね。1344についてはこれから反論する。)ので、これを議論の発射台にすること自体間違いだし、国民の大多数も受け入れられないだけの話。「アルコールやタバコより危険は一段と低い」という主張の根拠となっているランセットの論文を見せられれば「当該論文を受け入れるとしても、大麻はLSDやMDMAより危険ということになりますよね。結局ランセット論文を受け入れようが、受け入れないようにしようが、結論は自明で、議論する必要ないじゃないですか。」の一言で議論が打ち切られるのが、まだ分からないのですかね。


1359. 伊藤学 2010年03月23日 20:07
1339. 菅田一郎

>幸福追求権なんてあなたのいうキーワードが最小限度の知識?なら、何故説明してくれないの?簡単じゃないのかな人格的利益説、誰かにも説明してと頼んだけど

こちらが幸福追求権を持ち出して主張の根拠にしたのなら、こちらがある程度説明するのが議論のエチケットだと思う。しかしながら、この板の議論で幸福追求権を持ちだしたのは元々菅田さんなの。議論に耐えうる程の知識がないのなら、「幸福追求権」なんて言葉を軽々しく持ち出さないように。


1360. 伊藤学 2010年03月23日 20:08
1340. 菅田一郎
>よく読んだの?自分はどう思ったの?さて、貴方は現在のどぶろくが酒税もはらわずに一部ではおいしく飲まれている状況はいかがなもんかとも思うんですかねえ。税金をはらっている方もいるわけですので。
それに比べて大麻にたいする、大麻取締法の厳しさ、融通のない適用、運用はいかがなもんでしょうかNe

あのね、「どぶろく裁判」は、酒税法違反の刑事被告が最終的に有罪とされたわけ。自家消費用に酒を作る権利の制限は、別に憲法十三条に違反しない、というのが結論で、これが一番重要なわけ。議論に持ち出すからには、最低限の事実関係はきちんと押さえてほしいし、重要な論点はしっかり把握して頂きたい。


1361. 伊藤学 2010年03月23日 20:08
(続き)
>やっと、いってくれましたか?今までの貴方が述べた論はすべてどうでもよい。たんなり非難、しれも理由も根拠もなく、ときにはデタラメな解釈をいかにもそれらしくつくろってね。
>大麻が、酒、タバコより安全であるなら、何故現在の大麻取締法で厳罰に処する必要があるの?
>それをいわなければ、あなたの論は無用でしょう。

私はこれを読んで、心の中で「ギャフン」と叫びました。
勘違いによる勝利宣言ほど、見苦しいものはない、という典型ですね。これは。

そもそも作用も身体への影響も異なるドラックの危険度を単一の指標で比較することはナンセンスなのではないか、と繰り返し言ってきたけど、ここで何度も繰り広げられた、大麻の危険度に関する議論の結論は、論理的には次の3つのどれか、なわけ。
(1)大麻がアルコール、ニコチンより安全だと確信的に言える
(2)大麻がアルコール、ニコチンより危険だと確信的に言える
(3)上記の(1)なのか(2)なのか、分からない(今現在の医学の知見から確定的な結論を導くことは出来ない、または、(1)または(2)のいずれも、結論すること自体不適当である等)


1362. 伊藤学 2010年03月23日 20:08
(続き)
それで、僕は(3)の立場にたって、「大麻の危険性がどの程度のものか分からないし、国民の身体や精神にどのような作用・影響が出るかも分からない。分からない以上、健康で文化的な生活をしたいという大多数の国民の切なる願いを守るため、安全側にみて、嗜好目的の大麻所持の規制を継続する、という政策を採用することは、著しく不合理であるとはいえない」(1230)と主張してきたわけ。僕は(2)を主張せず、(3)の立場にたっている以上、(2)そのものを直接的に証明する必要はなく、(1)と結論するにはなお合理的な疑いが残ること(言い換えると、答は(3)とするのが当面妥当であること)を指摘し続けさえすれば、それで十分なわけ。


1363. 伊藤学 2010年03月23日 20:09
(続き)
つまり、(1)を否定するのに、(2)を主張する必要性は必ずしもないの。ディスカッションの基礎中の基礎なのですが、ちゃんと理解できますか。菅田さん以外は皆理解していると思うけど。

で、大麻解禁派の皆さんは(1)と結論すべき有効な論拠を(検証可能なソースをもって)何も示していないよね(1344については後で反論する)。

何れにせよ、菅田さんは、ギャラリーから失笑をかっていると思いますよ。


1364. 伊藤学 2010年03月23日 20:09
1344. 暇な院生 2010年03月23日 13:53
>1条はカンナビス・サティバ・エルという定義が拡大解釈されて、その他の種まで規制される拡大解釈

拡大解釈とみなすかどうかは議論の余地があるとしても、もっと丁寧な定義をした方がいいとは言えるかも知れない。でも嗜好用の大麻解禁の是非にはあまり関係ないね。

>4条は医療用途すら禁止されている、いや医療用途を明示して禁止している件

これも、嗜好用の大麻解禁の是非にはあまり関係ないね。


1365. 伊藤学 2010年03月23日 20:09
(続き)
>5条 大麻取扱免許が要件を満たしていても恣意的に降ろさない運用の件、処罰の件も同様

第2項の不許可事由に該当しない者総てに免許を与えなければいけない、とまで法律に書いていない以上、恣意的に法律を運用しているとまでは言えないと思います。(大麻取締法には「第五条第二項各号に掲げる不許可事由に該当しないと認める者に対し、同条第一項の免許を与えるものとする」等の規定を置いているわけではない。なお、不許可事由に該当しない場合、必ず免許や許可を与えるという趣旨であるのなら、当然そのように明示されている)

    • -

i.e.道路交通法第九十条
 公安委員会は、前条第一項の運転免許試験に合格した者(注意書きは、略)に対し、免許を与えなければならない。


1366. 伊藤学 2010年03月23日 20:09
(続き)
>ランセット報告以降、欧州の大麻政策が変化しました、あとはNIDAの報告ね。ドラッグウォーの当事国の麻薬取締当局が認めた、これだけでも十分インパクトあります、少なくとも害悪は当然の知見などと裁判所がとぼけてはいけない。

欧州の多くの国では、依然として(密)輸出入、栽培、流通は懲役という厳罰が加えられているわけですが(992参照)、何故、日本だけ輸出入、栽培、流通を解禁しなければいけないのか、合理的な説明が欲しいですね。


1367. 伊藤学 2010年03月23日 20:10
(続き)
NIDAの報告(というか、NY Timesに掲載された記事ね、記事。NIDAの報告じゃないんだよ。)は、著名な学者が研究に関与したことは間違いないにしても、査読を受けたものでない、つまり第三者による科学的検証を経たものとは言い難いから、どの程度尊重して取り扱うかは議論が大きく分かれるところ。NY Timesの記事でも、他の学者は、最近の科学的知見をきちんと反映したものでない、って文句言っているでしょ(文句を言ったのはタバコ擁護派の学者なので、ある程度割引する必要はあるが)。要は、2人の学者が主観的にランク付けしただけのものだからね。あと、大麻による負の影響としてよく指摘される慢性的な精神疾患に与える影響について、きちんと考慮されているものとは言い難いから、これも注意(その証拠に、5つの指標のいずれにも、慢性的な精神疾患による影響は反映されない)。つまり、今現在指摘されている大麻の身体への作用・影響について考慮されていないレポートを見せられても、大麻解禁の根拠には出来ないわけ。
(因みに、ジャック・ヘニングフェィールト博士はタバコ・ニコチンを主たる研究フィールドとする専門家でgoogle scholarで検索すると、ニコチン関係の研究が沢山出てきます)


1368. 伊藤学 2010年03月23日 20:10
(続き)
それで、暇な院生さんには、1200で出した宿題にちゃんと答えてください。念のため、再掲。

    • -

薬物としての危険性を評価する指標は、毒性、依存性の2つに限らない(白坂さんの言うことをよく咀嚼しないと、こういう誤りを犯す)。所謂「精神毒性」等、他の指標についてどう考えるのか、そこを聞かないと議論にならない。世界で最も権威ある臨床医学雑誌の一つ、英国医師会のランセットに掲載された論文(Marijuana: Docile Drug or Wicked Weed?、Cannabis use and risk of psychotic or affective mental health outcomes: a systematic review)等をどう見るか?

    • -


1369. 伊藤学 2010年03月23日 20:10
1345. 暇な院生

>依存性がカフェイン以下だからいつでもやめられる。

気がついたら慢性的な精神疾患にかかっていました、というのでは、その時点でやめたとしても遅すぎる。

>べつに大多数の国民に大麻の吸引を強制するわけでもなし、リスクをとりたい人が自己責任でやればいい話。なんで懲役で規制する必要があるのか?
スカイダイビングや外洋ヨット、大排気量の二輪車も危険ですが合法です、いずれも一部の者の快楽ですよ、バイク乗りも交通社会のマイノリティとして法政策面で不当に差別されています。これらも禁止すべきなのですか?ちがいますのね。なぜでしょう。

667でも指摘したけど、「自分が使うことがなくても、身の回りで大麻の使用が蔓延するのは嫌」、或いは、「自分の子供あるいは将来生まれてくるだろう子供のために、大麻がそこらじゅうに蔓延し、簡単にアクセスできるような環境にしてくれるな」等と国民の多数が思っているとしたら、そういった大多数の国民の気持ちを踏みにじっていいわけなの?(君はこの点、明確な回答を避けているね)そういう問題が発生しないという意味で、君の指摘する、ふぐ、スカイダイビング、外洋ヨット、刺青とは根本的に違う話(刺青が違う理由は後で改めて書く)。


1370. 伊藤学 2010年03月23日 20:11
(続き)
大麻を自由に吸いたいという、俺たちの権利の獲得のために他の国民は我慢しろ」とでも言わんばかりの発言を繰り返すならば、あなた達と議論することはない、といって議論のドアが閉められるだけだと思うけど。何度も言うが、大麻の流通・輸出入・自家消費目的以外の栽培を禁止したままの状態を続けたとしても制度設計如何で、「大麻に関心のない人が大麻フリーである状態を保ちつつ、ささやかに大麻を吸いたいという少数の人の希望をかなえることは可能な筈」ということを再三指摘しているが、それを主張できないのは何故?


1371. 伊藤学 2010年03月23日 20:11
(続き)
>むしろ合法化でオープンにし、闇の世界を白日に晒し、品質基準などを策定したほうが合理的だと思うけどね。

「思う」などと、いい加減なことを言うのでなく、きっちり証明して。品質基準を定め、自由流通にしたら闇の世界の関与は本当になくなるのか。1202にきちんと回答して下さい。

    • -

(1202再掲)
犯罪組織も馬鹿じゃないし、シノギを削るのに必死だろうから、こっちの大麻の方が多幸感が得られるよとか言って、身体に深刻な害を及ぼしかねない不純物の混じった大麻を闇で売り続けるとか、やりそうだと思わない?


1372. 伊藤学 2010年03月23日 20:11
1346. 菅田一郎
あまりこういうことを言いたくないのですが、菅田さんの場合、基本的な国語力や事実認識力に疑問があると言わざるを得ません。菅田氏の主張に対しては、菅田氏が議論の趨勢を左右するような重要な指摘をした場合を除き、一切コメントしません。

最後に、必要最小限の指摘だけしておきます。

    • -

白坂さんは、376でこういうことを言っています。

>誤解があります。私は大麻を「普及」しようと主張しているのではありません。アルコールやタバコほど害のない大麻の所持を、懲役刑という厳罰で罰するのはおかしいではないかと言っているのです。

白坂さんは、(少なくとも表向きには)大麻の「普及」を主張しているわけではないそうです。

以上。


1373. 伊藤学 2010年03月23日 20:12
1348〜1349 暇な院生
刺青と大麻が同置できない理由の補足。

刺青での温泉・公衆浴場の立ち入りは、実態として、施設の管理者の意思により、立ち入り禁止にされており、市井の人間が裸の刺青姿を見るのは極めて稀で、不快に思うことが殆どないと考えられるから、今緊急的に規制を講じる必要性は認められない。

言わずもがなだが、嗜好用の大麻を今緊急的に全面的に解禁しなければならない、特段の事情も認められない。


1374. 伊藤学 2010年03月23日 20:12
(続き)
暇な院生さんは「本来自己責任とすれば済む筈の話を、国家がパターナリズムを振りかざして個人の生活に介入するのはやり過ぎだ」という主張を展開しているものと認識している。「成熟した日本人は確たる合理的判断力を持っている筈だ」ということを暗黙に前提としていると思われる。成熟した日本人が確たる合理的判断力を持っているのだとしたら、厳しい社会的制裁を受けるリスクをわざわざ冒してまで、陶酔性がそれ程でないとされる大麻に手を出す人間は続出しないだろう。また、合理的な判断力を持ちながら敢えて大麻に手を出した人達のことを同情する理由もない。


1375. 伊藤学 2010年03月23日 20:12
(続き)
しかしながら、摘発され厳しい制裁を受けなければならない人間が続出される現状からすると、皆が皆、確たる合理的判断力を持っているとは言えない、ということになる。そうだとすると、確たる合理的判断力を持たない人達の身体・財産を保護するため、自己責任だとして放置するのでなく、国家が一定の範囲で個人の生活に干渉したとしても、直ちにそれが著しく不合理である、とは言えないのではないか。