時事通信は公務員バッシングを煽って、ひと儲けしようとしているのかと疑いたくなる

米、政府職員給与を凍結=大統領「財政赤字抑制に犠牲必要」(時事通信)

 【ワシントン時事】オバマ米大統領は29日、史上最大の水準に膨れあがった財政赤字の削減を狙いに、連邦政府職員の給与を2年間にわたり凍結する計画を発表した。軍人は対象外だが、ホワイトハウス当局者によると、2011、12両年で合計50億ドル(約4200億円)超の歳出節減が見込まれる。
 大統領は既に、政府支出の見直し、不要不動産の売却のほか、閣僚や政治任命職員の給与凍結、ボーナス削減を打ち出しているが、この日の声明では「財政赤字を抑制するには幅広い犠牲が必要だ」と指摘。対象をさらに拡大することで、一段の歳出抑制、削減に努める姿勢を強調した。
 ただ「(米経済には)依然多くの困難」が残っており、景気回復を失速させないよう気をつけなければならないと述べた。
 当局者によると、政府職員の給与凍結には立法措置が必要で、今後議会での審議に委ねる。

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010113000039/

 時事通信は公務員バッシングを煽って、紙面を盛り上げたいのだろうか?米国の公務員の給与支払が(全面的に)凍結されるのだから、我が国政府もこれに倣えと。

 それにしては、2年間の公務員人件費のカット額が4200億円というのは、いかにも小さい。だって、臨時国会を通過した給与法改正での国庫負担の引き下げ額(年間)は700億円以上あった筈。う〜ん、臭うぞ。

 時事の記事を読むだけでは、何人の公務員が給与凍結の対象で1人あたりいくらの給与がカットされるのか、計算できないようになっている。意図的なのか否かは伊藤の預かり知らぬところであるが、胡散臭い。

 ロサンゼルスタイムズの記事を読むと、ハッキリわかる。

Proposing federal pay freeze, Obama aims to seize initiative on economy(LATimes)

The move would affect 2 million federal workers and save about $5 billion over two years. Amid criticism from allies, the president seeks to undercut Republican plans to ease deficits.

http://www.latimes.com/news/politics/la-na-obama-freeze-20101130,0,5301547.story/

 どうやら給与カットの対象公務員数は200万人だ。1人あたりの1か月の削減額をざっくり計算すると、

 4200億円÷200万人÷24カ月=1万円弱(1か月)

 たいしたことないじゃん。

 ウィキリークスを利用した読売の民主党落としといい、ちょっとひどいね。

 因みに、時事の配信記事、LATimesのまる写しだよ。