大田区役所の怠慢こそ、大田区民の足を不便にした根本要因(京浜急行ダイヤ改正)。

 今月16日の京浜急行ダイヤ改正を受け、東京都大田区長が緊急会見で反対表明したことを報じる記事である。


 品川から南下してきた京浜急行線は、大田区蒲田で、横浜方面の本線と羽田空港方面の空港線に分岐する。本線と空港線は平面交差により分岐しており、蒲田停車による運転時間調整が慣例化していた。大田区補助金を拠出した京急蒲田駅改良工事の進展により、この平面交差状態は解消することになり、都心と羽田空港のアクセスの利便性を更に増進すべく、京急蒲田通過となったわけである。


 この問題の本質は、結論からいうと、区長はじめ大田区役所職員がバカだったことに尽きる。補助金拠出の条件として、工事後のダイヤについて、京急側と何らかの協定を予め結んでおくべきだったが、そうしなかったのが最大の敗因だと思う。行政の不注意、怠慢というわけだ。


 大田区役所のスタッフは「信義則に反する京急ダイヤ改正は予見不可能だった」と責任回避しようとするかも知れない。だが、そうは問屋が卸さない。確たる前例があるからだ。


 千葉市の負担により、JR京葉線海浜幕張駅に折り返し用設備を整備した。しかし、JR東日本は、これまで東京−千葉方面を直通していたデータイム列車の3分の1を千葉市の西端に位置する海浜幕張駅折り返しとするダイヤ改正を行い、その結果、千葉市民の都心アクセスが却って不便になった。