エイズ(AIDS)を隠蔽する中国共産党。W杯を契機にエイズに真正面に取り組む南アフリカ共和国。女子アナがいないW杯。

 中国国内のエイズ蔓延を警告してきた中国人活動家が、止むを得ず、亡命同然に米国に逃げ出した、との報道がニューヨーク・タイムズにあった。国税その他あらゆる当局機関から、一方的な取調べ、妨害が繰り返されたことが原因とされている。

 中国のエイズ蔓延の原因は、売血ビジネスと当局によるビジネスの管理不足とされている。民主主義の理念と衛生観念が確立する日本と異なり、中国では情報統制により、エイズそのものの蔓延が国内で報道されることはない。GDPの顕著な伸び率や上海万博の開催等、総体として中国を見れば、確かに明るい話題ばかりに一見見えるが、ミクロに見れば、貧富の格差が社会問題化しており、生活に困った貧困者が自らの臓器や血液を他人に売るビジネスがはこびることになっても不思議でない。内陸部と沿岸部、北と南の経済格差是正は、数十年間中国共産党が一貫して取り組んできた重要なテーマだ。

 岡本真夜の「そのままの君でいて」騒動、「google検閲問題」をはじめ、「望ましくないもの」に蓋をしてしまう悪弊がある。その際、情報統制を駆使する。

 一方、W杯をいよいよ開催する南アフリカ共和国の対応は対照的だ。先月終りには、エイズの薬(抗レトロウィルス剤)の配布や、エイズ検査を大々的に実施する等、エイズに悩む南アフリカ共和国政府の取組強化を報じる記事が報じられた。ちなみに、南アフリカ共和国エイズ罹患率は 2割を超える。http://d.hatena.ne.jp/nyango10/20100426/1272268634

 といっても、首都プレトリアヨハネスブルク近郊における治安の悪さは世界随一である。Nyangoがヨハネスブルクに出張に赴いた際には、外出禁止が上司から言い渡された。レイプをはじめとする性犯罪、強盗殺人が白昼街中で堂々と行われる。徒歩による街中の移動は極めて危険なため、目と鼻の先の移動でも自動車を使う。街中を歩くには黒人ばかり。貧困のため、自動車を購入できないためである。

 今回のW杯への女子アナの派遣は自粛モードだという。青山裕子さんや白石美帆さんがドイツに派遣された前回大会と様相が大きく異なる。理由は治安対策、制作費削減というが、確かにサッカーの試合を観戦するのに女子アナやタレントは不要である。そういえば、2010年世界フィギュアスケート選手権(イタリア・トリノ)の女子決勝はラジオ・カナダでライブで観戦した。フジテレビと違って、荒川静香の煩い解説はないし、気持ち悪いくらいキム・ヨナが持ち上げられることもなかったし、浅田真央のウイニング・ランや日の丸掲揚、君が代演奏が丸々カットされることもなかった。

 W杯の観戦も民放より、インターネット中継の方がいいかも。

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