インサイダー審議官のいる経済産業省の茶番(反省したフリ)

今更であるが、経済産業省幹部(審議官)によるインサイダー事件についてである。インサイダーは悪辣極まりないのは、言を待たないので、その点について本稿で論じない。むしろ気になるというか、ツッコミどころ満載なのは、それを受けた大臣官房秘書課の意味不明な報道発表資料である。以下に引用する。

当省職員の金融商品取引法違反容疑による逮捕について

本日、当省職員が金融商品取引法違反(インサイダー取引)の容疑で、東京地方検察庁により逮捕されました。

 事実関係については、今後、捜査当局により解明されることとなりますが、経済産業省としては、

 (1)枝野経済産業大臣による大臣談話を発出いたしました。

 (2)また、株式等の取引に対する徹底的な意識改革を進めるため、別添のとおり昨年末に内部規則を抜本的に強化し、既に全省を挙げて取り組んでいるところですが、さらに、全職員から内部規則を遵守する旨の誓約書を提出させて、二度とこのような事態を生じさせないよう、取組を徹底してまいります。

 今回の事態を極めて重く受け止め、職員一丸となって、公正・中立に職務に邁進していくことを通じて、国民の皆様からの信頼回復できるよう、全力で取り組んでまいります。

http://www.meti.go.jp/press/2011/01/20120112002/20120112002.html/
  • 職員の「徹底的な意識改革」のために、内部規則を強化したのか?目的と手段がバラバラ。国民からの不信を払しょくするために、厳しい措置を取らざるを得なかったことを素直に認めるべきではないか。
  • 「既に全省を挙げて取り組んでいる」とあるが、そもそも、一体、何に取り組んだというのだろうか。やったのは、内部規則を改正して、それを職員に知らしめただけ。他に、実態が伴うような努力をやったんだっけ?
  • 誓約書の提出=取組の徹底ということでは絶対ないけど、こういうことを平気で書いて公表するセンスってどうなの?
  • 「徹底的な意識改革」「抜本的に強化」「全省を挙げて」「取組を徹底してまいります」「極めて重く受け止め」「職員一丸となって」「邁進していく」「全力で取り組んでまいります」と威勢のいい言葉のオンパレードであるが、こういうのは「言葉の空回り」であるし、全くもって、信頼を置けない。ちゃんと反省しなさい。