大麻取締法の違憲性を問うため警察にワザと捕まった人の話(その1)

 大川興業所属の阿蘇山大噴火さんによる裁判ルポは非常に面白く、いつか裁判傍聴に行ってみたいと思っていました。そんなところ、J-CASTニュースに「大麻密輸犯が『逮捕まで』を ブログ・ツイッターで『実況』」http://www.j-cast.com/2010/03/08061836.htmlという興味深い記事が出たので、この事件の第1回公判の傍聴に出かけてみました。

 以下、「大学への数学」(東京出版)っぽく、実況してみたいと思います。

 平成22年4月20日(火)

  • 10:47 東京地裁801号法廷の「弁護人・検察官・傍聴人出入口」の扉が開き、傍聴人の入廷が許可される。
  • 10:50 裁判所書記官、弁護人らが着席。
  • 10:54 検察官が着席。
  • 10:55 25席ほどの傍聴席が満席に。満席になったため、後から来た2人は傍聴できず。裁判所書記官の「満席になったので傍聴は出来ません」との発言に対し、白坂和彦さん(大麻報道センターTHC(旧称:大麻取締法変革センター))が「正座でもして傍聴させて貰ったら」と大声で返答。本気なのか冗談なのか、判別できず。
  • 10:58 被告人の山崎一夫さんが、腰紐・手錠を付けられたまま入廷。着席
  • 10:59 「ちょっと早いですが」と断りがあった上で、裁判長により開廷の宣言。
  • 裁判長による人定質問。山崎さんに対し、氏名、本籍、住居、年齢(生年月日)、職業を聞く。
  • 検察官により3月25日付で訴因の変更があった旨、裁判長が通知。弁護人は「異議なし」と同意。
  • 検察官による起訴状の朗読。公訴事実・罪名・罰条を読み上げ。
  • 裁判長から、黙秘権をはじめとした権利告知。
  • 裁判長から山崎さんに対し「述べておきたいことがありますか」との発言があり、山崎さんは「事実関係は争わない。大麻を持っていることに対し罪悪感は持っていないので、その点について特に審議して欲しい」と発言。また、弁護人より「被告人と同じ意見。法令違憲適用違憲を主張する」と発言。
  • 証拠調べ(検察側立証)が開始。山崎さんの身上・経歴、犯行に至る経緯、犯行の状況を冒頭陳述として述べる。また、検察官から裁判長に対し、証拠調べの請求。裁判長が検察官の証拠請求について弁護人の意見を聞いたところ、弁護人は甲号証、乙号証とも全部同意する旨、発言。ちなみに、犯罪事実に直接関係のある証拠(有罪か無罪かに関する証拠)で被告人の供述調書以外のものを甲号証、被告人の供述調書と情状関係の証拠を乙号証というそうです。
  • 弁護人より裁判長に対し「被告人から申し述べておきたいことがあるので、意見陳述の機会を頂きたい」と発言。裁判長より「冒頭陳述として扱います」と発言があり、山崎さんの陳述が始まった。

(次回に続く)