ももいろクローバー:各種ワイドショーでの取り上げ方に関する考察(まとめ)

 伊藤は、昨年2月の「しゃべくり007」で見かけて以来、ももいろクローバーの隠れファンである。バナナマン、南キャン山ちゃん、はんにゃ金田、ドランク塚地、オリラジ中田敦彦北乃きい吉木りさといった芸能人モノノフの口コミのお陰か、ここ半年のフィーバーぶりが熱い!

 そして、先週のワイドショー等での、ももいろクローバーの取り上げ方は、半端でなかった。手の込んだ取材を敢行したものから、「今話題にのぼっているから一応取り上げておけ」的なやっつけ仕事まで、そのクオリティがピンキリであったのも事実。備忘録として、各ワイドショー等の取り上げ方を、伊藤が独断と偏見で評価したものを記しておきたい。

めざましテレビ(4/26)

7分間の特集。開始後1分5秒のテロップに、メンバーの名前を間違えるといった致命的ミス。「有安杏香」ではなく、「有安杏”果”」が正しい。ケアレスミスに過ぎないのかも知れるが、仕事がいい加減だと断じられても文句は言えないだろう。

 しかしながら、めざましのスタッフが偉いのは、最近のももクロの人気について、ステレオタイプ的ないい加減な考察をしなかった点である。きっちりしたコメントをする、怒髪天増子直純氏や大槻ケンヂ氏に、その評価を丸投げしているのが潔くて良い。要するに、能力がなければ、ちゃんと金を遣えということだ。

 ももクロの人気の秘密はその音楽性にあるとする、軽部さんの考察は、少し甘い。この点については、後で論じる。

とくダネ!(5/1)

 MCの小倉智昭氏は「ももクロ、全然知らなかった」と断言。音楽通というイメージは虚像であったと判明した瞬間。趣味にあわず興味がなくても、選り好みしないで、一通りチェックしてみるのが、本当の音楽通。彼の蘊蓄は、結局、スタッフの努力の賜物だったのか。笠井信輔アナウンサーの「ももクロ聴いている」は嘘ではないだろう。コーナー最後に、アルバム収録の「ももクロのニッポン万歳!」にちゃっかり言及しているのが、その根拠である。

 ももクロの人気の秘密は異分野他流試合にあるとした、同番組の考察は少し甘いのではないか。即ち、武藤やドリフの振り付け、ロックコンサートやプロレス会場への乱入といったパフォーマンスは、黎明期にあるももクロの名を知らしめるアナウンス効果を狙うための手段であって、目的でも、ももクロ人気の本質でもない。この点、後でまとめて論じる。

ZIP!(4/23)

 開始後4分40秒過ぎの「ファンも(掛け声等で)一緒に楽しむことが出来るんです」と紹介したVTRの掛け声が根本的に間違っているのが痛々しい、「オイ!オイ!オイ!」ではなくて、正しくは「FLY!FLY!FLY!」。歌詞の文脈を考えれば、前者でないことは明らか。こういうのをやっつけ仕事と言う。

スッキリ!、知りたがり

 コメンテーター陣の一部が糞。わざわざ時間を割いて取り上げておいて、存在を否定するかのようなコメントはいただけない(加藤浩次等)。天狗か。

結局、ももクロの人気の秘訣は何か。

 我々大人の行動原理は、効率や(一時的な)損得といったものに、いつの間にか堕してしまった。そんな中、効率や損得を完全度外視して、馬鹿馬鹿しいとしか思えない些事に全身全霊で取り組む彼女達に、我々大人は憧れを抱いているのではないか、というのが伊藤の説です。事実、YouTubeにおけるももクロの動画再生は、35-45歳男性、45-55歳男性に集中していますが、これらは正に効率や損得の歯車に身を窶してきた世代です。また、彼女達の楽曲は、前山田健一氏を中心とした、彼女達の魅力を十分に認識した、ごく限られたスタッフによって作曲されています。一方、AKB48の楽曲は、結局売れることだけが最優先で、耳障りが良いだけの曲ですが、こうしたAKB商法に対するアンチテーゼなのかも知れません。

 てなわけで、AKBみたいに無気力な集団になり下がった瞬間、ももクロ人気は一瞬にしてバブルの如く消え去っていくのではないか、と予想します。